「はいはい、分かってるわ」

「お前こそ、アイツに過信し過ぎなんじゃないか?」


自分の事を置いといて人の事ばかり。


まぁ、ロベルトらしいけど。


「心の籠ったありがとうを貰ったわ。人の心の籠った言葉は、それだけで力がある。まだ、足りないけど、この言葉も対価として貰うわ」

「そうか」


うんうんと頷きながら、『それは嬉しい事だ』と言うロベルトに私はクスッと笑った。


それを見て、さっきまでの嬉しそうな顔は何処へやら。


怪訝そうに話しかけてきた。



「何で笑うんだよ?」

「ロベルトの行動が面白かっただけよ」

「行動が面白い?気にくわねーな。だが、さっきの言葉で俺は機嫌が良いから今回は許してやろう」

「はいはい。ありがとうございます」


私は上機嫌な顔のロベルトに呆れながら、ロベルトの話に合わせた。


でも、フッと柔らかい表情をしたかと思うと、独り言のようにポツリと呟いた。


「その実亜って子。願いが叶うと良いな」

「ええ。あの魔法の匂い袋は思いが強い程、効果を発揮する。あの子が強い心を持てば、願いは叶うわ」