「知ってたの」

七丘はため息をつく。

地底というのは、最近夜中になると地下から現われる異物が人を襲うという事件のことである。

神出鬼没なため、対応のしようがないのだ。その上機械に反応が出ない。

「しかもやつらの棲みかがどこにあるのかもわかっていない。そもそも地底にそんな生物がいたかすら怪しいのだ」

「別にいいんじゃない？　そのまま人間が絶滅してくれるとうれしいわ」

「‥‥‥‥」

という魔女の冷淡なご意見。

「それで君には、どこに出没するかを占ってほしいのだ」

「うそ教えてもいいならね」

「‥‥‥‥」

「おそらく自然に影響がないので、逆に自然にとっては都合のいい事態なので動いてくれるつもりはないようです」と七丘はｼﾞｽに耳打ちをする。

「そのとおりよ。私に不都合なことは何一つないわ」

「だが.....」

「私が占ってどうするの？　それで本当に出てきた地底生物が襲ってきたら？」

「開発した武器で対応する」

「それが効かなかったら？」

「それは.....」

「また私に頼むっていうわけ？」

「‥‥‥‥」

「私は人間が嫌い。動物のように自然にうもれていたらこんなことにはならなかったのに。
知恵とは逆に恐ろしいもの。自然が反撃できないことをいいことに、利用し、また利用して壊していく。
いつまで、自然はいうことを聞いてくれるかしらね。」

「つまり今回は自然の反撃だと？」

彼女はくすりと蔑みわらう。