聖side


『美月、あれからずっと俺に抱いてって言ってくるんだ。』

俺の怒りはピークに達した。

俺が殴った時、あつ君は笑っていた。

『桜も俺のモノにしてやるよ。』

と呟いた。


事務室でこっぴどく叱られた。

係の人も警察沙汰にはしないが

気をつけなさい、と言って帰してくれた。

『桜さんは、美月と違います。』

あつ君にそれだけ言って、加奈美達の所へ向かった。

『バカァ!!』

ゲーセン内に、加奈美の声が響く。

『ちょ!もーちょい静かにしろって!』

『心配したんだかんね!』

加奈美が抱きついてきた。

『心配かけんなっつーの。んっ!』

そう言って、健太はコーラを俺に差し出した。

『サンキューな!』

俺は桜さんを見た。

どこか寂しげな表情に俺の心がチクリと痛んだ。