「何?話しって?」

疑いもなく
あたしを見ている。

「‥‥先生って結婚してますよね?」


唐突な質問に目が泳いでいる

引きつった笑顔で言った


「してるわよ」

その顔が‥‥
何も知らないその顔に
苛立ちを覚えた

「‥不倫ですか?」

顔に一瞬焦りが見えた

「‥‥何のこと?」

声が震えている
今にも泣きそうな声‥‥

「龍耶と‥‥明彦さん‥‥」

名前を出すと
顔が曇り始めた

「‥‥‥」

「‥黙らないでよ!!」

その沈黙が頭にきて
彼女のすべてを壊したくなった



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