こんな職種にこだわりがあるようで結局こだわることさえも出来ない、所詮バカ野郎が持ってる唯一の資格と言えば教員免許、そして運転免許位なものであろう。

　正直今考えると何故あの時教員免許なんてガラにもない資格を取ったんだか、俺にも分からない。

　正直に暴露すると、たまたま大学で仲良くなった友人が教職を取ると言い出した為、合わせないとまずいかな・・・なんてノリで一緒に教職の門を叩いたのが運のツキだった。

　でもこんないい加減なヤツが教職を取ったんだから、こんなヤツに担任持たれた生徒の身にもなれ、って他人に言われなくても本人が分かっていた事だったので人から言われる前に教職の道は断念した。

　　　　　「でもしか」だけにはならんでくれ。

　よく教職の講義をしてた教授が言ってた言葉だ。

　要は「でもしか」っていうのは「先生にでもなるか」「先生にしかなれない」という、今の御時世からしたら何て贅沢な事を言うのやらというような時期があったようで、中途半端な気持ちで教師にはなるな、という意味で教授が俺ら受講生に言い放った言葉だった。

　だから俺はでもしか先生候補に間違いなくノミネートされる自分の哀れな姿を世間にさらけだす前に資格は取ったものの、自ら教師になろうなんて事は微塵だに思わなかったのだ。