要はクルエラとヒメコはグルだったって訳だ・・・・・。

 でも何もそんな小細工してまで俺と別れようとしなくても、素直に「別れて」って言ってくれたら俺だって素直に別れたのにさ・・・・・。
(俺って相当信用ない?それともクルエラが演じたみたいにヒメコのストーカーにでもなるって思ったのか?)

       冗談じゃない。

 俺だってそんなに暇人じゃないし、仕事だってあるんだよ。あ、今は求職中だったんだっけ…。

 仕事してる「つもり」ってある意味オソロシイ。

 そういえば俺、仕事辞めたんだったっけな。

 でもまだうちの家族にはその事、一切言ってないんだよな。

 もうそろそろ黙ってるもの限界かな。嫌な思いではすっぱり忘れた筈だったのに、またあの悪夢が俺の中で再び蘇ってしまったわ。

 今となってはもうちょっと前の話を思い出しながら、また右手の握力でくしゃくしゃにしかかっていた求人誌を開き、もう一度『求人』の文字が躍る紙面をじっと穴が開くほど凝視する。

 だけど、

 だけど。

 俺がピンとくる求人、ないんだよねーーーーーーーーーーー。

 しかも紙面を見ていつも頭にくるのが「学歴不要」って書いてあって「要 資格」っていうのが非常に多いって事。
 
 そりゃあ、職種や業種を問わなければ仕事なんていくらでもある。ヘタすれば時給に換算すれば俺が昔いた会社より高い金出すっていう会社だってある。

 だけど。
 
 二の次には「何か資格などお持ちですか?」と言われる。
 資格、ねぇ・・・・・。

 ま、なくはないけど、所詮その道のエキスパートにでもならない限り、俺が持ってる資格は日の目を見ることはきっとないと思う。