ヒメコの「ヒメ」はお姫様の「姫」でしょ~?!

 そんな、俺の知ってるヒメコちゃんは穢れを知らない、純真無垢な、かわいらしい汚れの無いお嬢様でしょ~!?

 なのに、どうしてどうしてそんな俺以外の男と一緒になんて住んでるんだよ~!!しかも赤ちゃんって初耳なんだけど・・・・・・?

 俺がなんてこった…、と自分の頭を抱えてその場でうずくまってしまうと、ヒメコはさっと俺のそばに来てこう告げた。

「あなたは私の事を今まで干渉しすぎなかったせいよっ。強いて言えば、もう少しあなたの束縛が欲しかった。だけどあなたはそんな私の心の叫びなんて全然興味ないってカンジでいつも仕事とばかりにらめっこだった。この前のストーカー上司の時だってそうだった。いつまで経っても問題解決してくれようとはしてくれなかった。寧ろ、あの上司との鬼ごっこを喜んでいるような風にも見えたし。」

 ちょっとまってくれよ、俺は事を荒立てたくないが故に、クルエラの茶番にも耐え、俺なりにヒメコを守ったつもりだったんだぜ。なのにその言い草はないんじゃないか?

「あのね、女をいつまでも自分の想像だけの世界に縛り付けるの、辞めてくれる?妄想されてる方としてみれば、それが分かった時点でものすごくストレスなのよっ。私はあなたの「お人形」じゃないのよ。もうあなたとはいたくない。さようなら。」

        サヨウナラ・・・・・・・・。

 その言葉は俺が今まで受けたどんなひどい言葉よりも傷ついた。そしてそれが仇となり、俺はショックのあまり仕事に専念出来なくなりあえなく退社した。

 


 後で知った話だが、ヒメコは俺以外にも複数彼がいたそうで、それを見破れなかったおバカな男は俺だけだったそうだ。

 しかもヒメコの今の同棲相手をあてがったのは他でもない、あのクルエラだったそうで実はあの二人は以前にも面識があったそうで、俺との別れ話のネタにわざわざアメリカから知り合いだったクルエラをよこし、俺との仲を引き裂く役を買って出てもらったという事だったらしい。