「お前は、俺が言うこととそいつが言うことどっちを信じる」
「魁人」
私は迷いもなく即答で答えた。
「だったら今から俺が言うことだけを信じろ」
私はただ静かに頷いた。
「俺は今までお前と別れたいなんて思ったことは一度もない。
それにそのなんとかっていうやつのこともしらねぇ。
お前はずっと俺のモンだ。わかったな。お前に拒否権はない」
魁人は好きって言葉は言ってくれないけどこれが魁人なりの愛の表現なんだって思うと嬉しかった。
「魁人のそばにいていいの……?」
私は顔を上げて魁人を見つめた。
その瞬間魁人の顔はもう目の前にあって唇が触れていた。
「パンが食えなきゃ困るしな」
「んぅ……」
不満げに唇を尖らせた私の額をはじいた。