「んんー?そこに居るのは誰だ〜?」


わざとらしく語尾を揺らしてくる。
私は何も言わず振り返り俯く。


「………またお前か」

「…………」



少し長め茶髪を
乱暴に後ろで束ね、
黒い眼鏡をかけているこの人。


見てわかるとおり
保健室の先生……

武田 昌樹 先生であります。



「……変な夢見た」

「よかったじゃん?」



私の言葉に答えながら
机に向かい、椅子に腰を落とす。

私もソファーの上に移動する。



「……おいおい、授業いけよなー」



面倒くさそうに書類を手に取り
何か書き込んでいく。

私に対しては
毎回言われている言葉を投げ掛ける。

私が黙っていると、
一つ溜め息を溢し、こっちを向く。



「いい加減にしろよ?お前に関わってる暇は無い」



わかってるよ。
それくらい…