パタパタパタ...

私が廊下を歩いていると、

「祐馬く~んっ!!」

女の子達の声高い声が聞こえた。

しかも、志藤祐馬までもいる。

「あ!あれ、私のケータイ・・・!」

志藤祐馬が手に持っていたのゎ、私のケータイだった。

「ど、どうしよう・・・」

早く返して欲しいけど、しゃべりにくいし・・・。

あんなこと言ったばっかだしなあ・・・。

でも、返してもらわなきゃ・・・。

「し、志藤祐馬っ・・・!!」

い、言っちゃった・・・!

しかも、呼び捨て・・・。

「あ、聖」

志藤祐馬は、何事もなかった様に、私のもとへと近づいて来た。

そして、私の手を持って、

「はい。これ、忘れてたぞ?」

志藤祐馬は、私の手を自分の手に当てて渡してきた。

しかも・・・、強く・・・。

「あっ・・・、ありがとう・・・」

やばい・・・、何か・・・、ドキドキするっ・・・。

「今度は忘れるなよ?」

志藤祐馬は、私の耳元で、そっとつぶやいた。

「はっっ・・・、はいっっ!!」

私はびっくりして、手を振りかざし、うつむきながら走って行ってしまった。

な、何なの!? あれっ・・・。

私は、自分でも分かるくらいに、顔が赤くなっていた。