「ど、どうしよう・・・」

見つかるのが怖くて、歌えない・・・。

どうしよう・・・。

チラッ

志藤祐馬・・・。

志藤祐馬は、学校一の問題児。

喧嘩っ早い性格で、皆から恐れられてる。

「か、帰ろうかな・・・」

そう思った私は、急いでドアを開けると、

「・・・ん?」

や、やばっっ!!

気づかれた!?

「・・・誰かいんの?」

そういっった志藤祐馬は、近くをうろうろし始めた。

「こ、怖いよ・・・、見つかったらどうしよう・・・!」

私はガタガタ震えながらしゃがんでいた。

すると、何事もなかったように、志藤祐馬があっちのほうへ行った。

「・・・はあ、セーフ・・・」

安心した私は、立ち上がって屋上を出ようとしたとき、

カタン!

「―あっ・・・」

ケータイの落ちる音が、屋上中に響いた。