「さぁさ。追いかけてきてよ♪」 私は、 さっきから早く遊びたくてうずうずしてるのだ。 「ッ、」 伊次くんは私に向かって手を伸ばす。 ヒョイッ。 「鬼さんこちら♪」 私は笑いながら木の枝に飛び乗る。 ……なんだろう。 いつもより、 断然楽しい!!!! でも、泥棒に油断は大敵。 気分は高ぶっているけど、頭の中は常に駆け引き状態。 手の中の“品”や、周りの空気にも神経を張り巡らせる。