私がそう言うと、伊次くんは少し目を見開いた。

……そう、私がさっき手に入れた“品”は、本物じゃない。


「いつ気づいたんだ??」

「それに初めて触ったとき。」

「……。」


伊次くんは呆然と私を見つめる。


「泥棒の達人をなめてもらっちゃ困るわ♪」


私は少し挑発的に伊次くんにそう言った。


「成る程。」


伊次くんは面白そうに私を見ている。