「……ちっ。」


伊次くんは小さく舌打ちをして、私と伊次くんとを繋いでいる手錠を外した。


「あ、やったぁ。」

「警察はちゃんと約束守らなきゃな。」

「学生のクセに。」

「うるさい。」


私たちは目を見合わせてクスクスと笑った。


「……あ、これは返すわ。」


私はさっき手にいれた“品”を伊次くんに渡した。


「は??」


私はニヤッと笑う。


「こんな偽物、すぐに分かったわよ。」