「だって、その格好じゃあ、追いかけっこ疲れちゃうでしょ??」

「追いかけっこ?」

「そう、またの名鬼ごっこ。
貴方たち裏警察が鬼。
私は逃げる人。」


私は笑顔で質問に答える。


「怪盗V、」

「なあに、伊次龍樹くん。」


私が返すと、
彼は驚いた顔をした。


「何で名前……。」

「あら、泥棒の情報網侮ってもらっちゃ困るわ。
人ひとりの情報くらい簡単に手に入る。
それが鬼ボスの家族なら尚更。ね。」


私は楽しげに答える。