ゆっくり、屋上のドアノブを回す。


ガチャ……。


ドアは何の造作もなく、私を館の中へと案内した。


「またまた無用心。」


今回の犯行予告は大々的だったのに。

私はそんなことを思いながら、目的の部屋まで防犯カメラと警報を避けて歩く。


「……ここだ。」


私はゆっくり“品”に近づき、ガラスケースを開けて“品”を手に取った。