「……俺さ、親が警察官なんだ。」 その言葉に、私は気を引き締めた。 「へぇー。 じゃあ、伊つ……龍樹も将来は警察官?」 「まぁ、一応。」 「へぇー……。」 「でさ、今、親と同じ仕事に就くために、ひとつの事件受け持ってんだよ。」 そうだったんだ。 「ひとつの事件?」 「“怪盗V”を捕まえること。」 「怪盗V!?」 「あぁ。」 「本当に居たんだ……。」 私は独り言のように呟いた。