「由梨ちゃん……泣いた?」 そうだ!!! あたし目腫れてるんだった。 「泣くわけないでしょ?」 あたしは平然を装う。 だって……絶対バレたくない。 泣いた……なんて。 「由梨ちゃん?」 あたしは自分でも気がつかない内に唇を噛み締めていた。 鉄の味がしたからあわてて口の力を緩める。