死神さんは手を引き、
脇から抱き上げて煙突の様な
そこから出してくれた。

微笑むあの人の顔がまた
目の前でハッキリと見えた。

「ちゃんと吐き出せたじゃねえか、
魂の叫びって・・ヤツ?」

「ア・・・・う!!!」


着ていた黒い皮のジャケットを
脱ぎ、私の肩に掛けてくれた瞬間

涙が・・ブワッッと溢れ出した。


「ぅわぁあああぁぁっ・・!」

しがみ付いた、
決して逞しくはない彼の体に。

ゴメンナサイ、ゴメンナサイ・・!

そうずっと
子供みたいに繰り返す私に

彼は何も云わず背中をごつごつ
した手で優しく擦り続けてた。

・・ずっと、ずっと、
泣かせてくれていた・・。

気のせいか・・暖かくて
微かだけど

煙草の匂いと混じって
甘い・・ユリの花の香りがした。