「はーーー・・。」

肩から抜け出る様な俺の溜息。
一応、告知は終った。ツカレル・・

病室を出るとさっきの
クソ忌々しいあの医者の声だ。

そそくさ、ナース・ステーション
から脱出していく看護師達。

中を覗くとイスに座り、
神経質そうに
ペンで机を小突きながら

席に座り、電話でガミガミと
誰かに説教タレてやがった。

「そんな字も読めないのか?
本当に大学出たんだろうな?」

・・だと。

なーにを、偉そうに。 バカジャネエ?
お前は空気すら読めネエだろが。

中にコッソリ(シナクテモイインダケド)
忍び込むと休憩室に入った。

ん? なんだ足元に殺虫剤?

冗談みたいだ、この病院、
どうやらゴキブリが出るらしい。

俺が意識してそれを拾うと
そのスプレー缶は俺の体と
同化し、姿が見えなくなるんだ。

ホラ、いいタイミングだぜ。
エロ医者が席を立って行く。