「ええ、どんな状況でも。点滴、
勝手に早く落とさないでね?」

「・・・?」

女は少し驚いた目で俺と
アッサリそう云った
ナースを交互に見ている。

俺はつい"フッ。"と、
笑い声を漏らしてしまったが

それすらナースが反応しない
モンだから・・やっと信じたか?

・・事務的に翼状針を刺して
出て行くのを見届けながら。


「・・私だけに見えるの?」

「もう"死"が決っているからさ。」

「ふーん・・。随分親切ね。
わざわざ報せに来るなんて。」

「フフ、ああ、
俺も死神としてどうかと思うね?」


無理に笑ってやがら。

さて・・この女は後5日、
どんな風に過ごすんだろうな?