『………ちっ。
来たか。』
そう言いながら立ち上がる、京。
え?どういうこと?
『しかもよりによって、このタイミング。』
『さいっこーだな。』
顔を見合わせる京と良。
「…………ねっ、ねぇ?」
『ん?
どうしたの?』
「誰が………攻めてきたの……?」
まさか……。
お願い、あの人の名前を出さないで。
お願い。
『あ…あぁ。
気にすんなって。負けねぇから。』
そういうことじゃなくて!
『言っても大丈夫だぞ、京。
ただし、今度はお前が美音の相手をしろ。』
…………え?
『今度は俺が暴れてくる。』
良は、そう言うと部屋を出て行った。
『うっわぁ、何だアレ。
めっちゃカッコつけだな。』
笑いながら言う京。
『し・か・も。
美音ちゃんのこと美音なんて呼んじゃってさー!』
……そういえば。
気付かなかったな。
「それより、誰が攻めてきたの……?」
『あ、あぁ…。
“唐胡”っていう族だ。』
と……うこ?
『前から俺らにちょっかいを出してきてたんだよ、あいつら。』
『いつか、攻めてくると思ったけど…やっぱり来たな。』
………え。
じゃあ、翔太じゃない?
……よ、よかったぁ……。
ホッと胸をなで下ろす。
……じゃあ、なおさらどうして?
なぜ私はここに?