『弟?』
気付いたら翔太のことを口にだしていた。
「そう。弟。
すっごいバカなんだけどね。」
翔太を一言で説明しろって言われたら、バカしか思いつかない。
『ははっは………。
ひでぇ、いわれようだな。』
たしかにね。
『けど。
そんなに笑顔で話せるような大切な人なんだな』
………え?
笑顔でした?
「たっ、大切じゃないわよ……。」
あんなバカな弟。
「そっ、それより!!」
話題を必死にかえる。
『何だ?』
「連絡先!!」
『あ、あぁ……。
てか、何?』
良がニヤッとした。
嫌な予感………。
『そんなに知りたいの?
俺らの連絡先。
まさか………俺らのこ・と?』
………ちっが~~う!!
「違うよ。バカ!!
じゃ、いいです!!」
『冗談だよ。交換しようぜ。』
めっちゃ爽やかな笑顔で笑いかけてくる良。
お主……モテますな?
しかもイケメンだろ?
ずるいぞ、くそ。
なんだかんだいいつつ、連絡先を交換してくれた良。
京のもさらっと教えてくれた。
そんなとき。
キィ………
『ただいま………』
ドアを開ける音と、力ない声が聞こえた。
『京、おかえり。』
良が笑顔で迎える。
ちらっと京の方を見た。