一応行くんだ…。



『まぁ、京以外には総長をなだめることなんて出来ねぇけどな』



……へぇ。


京と総長の間に一体、何が…。




「………ねぇ。」



『ん?』



「“帝峯”はどのくらい強いの?」



全国一とかさ。


『おいおい…。
それ本人に聞くかぁ?』


あ。
確かにね。
言いづらいよね。
弱かったら。


『まぁ 強いよ?俺ら。』


へぇ!


「どんくらい?」



『関東二くらい…?』


苦笑いすんなよ。


「へぇ!強いじゃんか。」


関東って族の地区のなかでも激戦区だし。



そのなかで二ってスゴいよ。



『まぁ、“劣華”には負けるんだよな。』




あ…やっぱり?




まだ強いんだ…
“劣華”は。




「あ、あれは?
“虎蝶”は?」


“虎蝶”とは。


私が前率いてた族。



ちょっとは強かったんだけどね。



『こ…ちょう?
あ、あぁ、虎蝶ね。』



理解が遅いなやっぱり。



『なんか“虎蝶”って…総長が急に身を引いたかなんかで今は活動してないらしいぜ?』




…………え。



活動してない?




「それって…いつ!?」



『わかんねぇけど…
一番盛んだったときの、女総長が辞めたときだな』


女…総長…?




まさか…私…?




ううん、違う。


そんなハズはない。



まだ“虎蝶”の皆が私の帰りを待っているなんてことないハズ…。




私は皆を裏切ったも同然なんだから…。