『京！！良！！』
ドアをドンドンと叩く音が聞こえる。
『何…？
何事？』
京が鬱陶しそうな顔をしながら言う。
『大変だ！
総長が…！』
そこまで言うと京は何かを察したのか、
『わかった。
今行く。』
そう告げた。
ドアの向こうにいたであろう男はそそくさと立ち去った。
『良。
行ってくんな？』
『…………。』
『んな顔すんなよ。』
なになに？
どうしたの？
『だから俺は、あんなヤツが総長だなんて…『良。』』
今度は珍しく、京が良の言葉を塞いだ。
『……あの人が総長なんだよ。』
京が良に諭すように告げる。
『………。』
『行ってくんな？』
『……け、ケガ…すんなよ』
ケガするようなことなわけ？
何…なんなの？
どうしたの…京…。
何だか、京を行かせちゃいけない気がする…。
「きょっ…京！」
『美音ちゃん？
あ…大丈夫。美音ちゃんが思ってるようなことじゃないから。』
……え？
『行ってくるね？』
京が私の頭をポンポンする。
……京。
そう言うと京は出ていってしまった。
「………良。」
私がそう言うと良はわかったように話し出した。
『……あのな。』
