「あんた………。ケンカ強いわけ?」
そんなか弱さそうな風貌してて。
『ひ………ひどいなぁ、美音ちゃん。
俺、めっちゃ強いよ? てか幹部が弱いとか“劣華”終わっちまうよ?』
まぁ、そうなんだけれど。
ただ、こんな優しそうな顔してて、ケンカできんのかな。
相手は、この顏に騙されるんじゃないの?
………てか。
「陽。」
『何?』
「………裕太。」
その名前に陽が反応したのがわかった。
……やっぱり。なんか知ってるんだ。
「裕太は、まだ“劣華”の頂点にいるの?」
『お、おい。姉貴。』
翔太。わかってる。
聞くだけ無駄だってことぐらい。
………けど。
私には、あの夢が気がかりで。
私の カン は昔から当たるから。
あのときだって。
「どうなの?陽。」
『………。』
黙り込む陽。
………どうして?
昨日、陽が、私に聞いたじゃない?
“裕太が生きてたら?”って。
……生きているんでしょ?
それだけ聞ければいいから。
生きてるってわかればいいから。
ねぇ?