「あ、はい。」


「さて…と…。」


「さてとって…ここどこですか!?
 しかも私の家じゃありませんよね?ここ。」


「いかにも。」


「いかにもって…説明してくださいっ!!」


「ここはソフィア王国。そしてここは王家所有の別荘。」


「そ、ソフィアってあの地図の…?」


(やはり、見ていたか…。)
「そうだよ。」


「でもあれってどこの地図ですか?」


「ここの世界の地図だよ?」


「≪世界≫って…スケールが大きすぎません?」


「ここは吸血鬼(ヴァンパイア)達の住む世界、月界(ゲッカイ)だ。」


「もしかしてキース様って…」


「ヴァンパイアだけど…?」

ニコッと笑うと同時に
わざとらしく牙を見せるヴァンパイア。



―ジリ…


そして一歩ずつせめ寄るヴァンパイア。


私は反射的に後ずさった。


―ガチャッ

私は必死に後ろを振り返りドアのある方へと逃げた。



―ズササササササササッッッ―…!!


「速ッ!!って…ちょ、待てッ!!」


一方…


「ハァッ……ハァッ……ハッ、ハッ―…。」

まだ頭が痛む中、
必死に階段を駆け下り
玄関のドアを開けた。