…と思いきや。
「アイリーン…」
「は、はいぃぃッ!!」
「その目の下の…」
「…目の…下?」
―タタッ…
美形の度アップから離れるついでに
ドレッサーの前の椅子に座ると…
「…何…これ…………。」
私の目の下にある涙黒子(ナミダボクロ)が
バラのシルエットの
タトゥーのようなものへと化していた。
「ついに来るか…。」
「え?」
「あ、いや…何でもない。」
そして何かをつぶやいたこの人。
っていうか…この人誰?
「あのぉ…」
「ん?」
「お名前、伺ってもよろしいでしょうか?」
「え………………」
「…?」
こっちが
“え………………”
なんですけれども。
「あの…」
「エドガー・キースだよ。」
「キース様…。」
「エドガーでいいよ。」