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(助けて…助けて……エドガー…)




──ハッ…

「……今のは…」


「どうしたエドガー。」

エドガーの様子に首をかしげるクリス。


「…いや、なんでもない。」

(空耳か…。)


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「ハァ……ハ……ハッ……」


「…やっぱりおいしいね。」


1分足らずの吸血行為が
アイリーンには何十分、何時間にも感じられた。


──トサッ


そのまま、倒れるように
ダレンにもたれかかると抱きあげられてベッドへ下ろされた。





──ジワッ…


人間のアイリーンは
治癒能力の高いヴァンパイアではないため、
シーツに大きな染みをつくった。


「ハッ…ハッ……ケホッ、ゴホッ……ケホッ…」


「あ~あ…風邪がぶり返しちゃったかな?」

そう言いながら
吸血の生々しい跡が残る首筋に手を触れる。

「やっ……」


すると、


──スゥ…‥・


綺麗に傷痕は消えていった。