そんな人々にうっとりしていると、

ゾクッ―…

後ろに人の気配がした。


振り返ると…

周りの綺麗な人々とは一転した
姿の人々がいた。

しかも、皆私を見ている。

そして前に視線を戻すと…
正装をした人たちも
こちらを見て
何かコソコソと話している。


(人間よ…)

(えぇ、人間だわ…。)

(しかもエドガー様の香りを纏(マト)ってるわ…。)

(なぜ人間なんかが…!?)


え、エドガーってさっきの!?

「そこのお嬢さん。」


「え…?私…ですか?」


「そうだよ、そこの君。
 ちょっと来て。」


「は、はい。」

正装をした少年に声をかけられ、
ついて行くと…。



……え? なんか、街から外れてってる!?


「あ、あの…」


「ねぇ、君さ…人間だよね?
 何処から来たの?」


「何処って…ロンドンから…。」


「名前は…?」


「…ってなんですか!?
 さっきから。」

―シュッ

一瞬何が起こったのか
理解できなかったアイリーンだったが
つむっていた目を開けたとたんに
自分が置かれている状況が分かった。