休日のせいか、遊園地はこんでいた。



「凄い人だな。はい」


そう言って、疾風は私に手を差し出した。



えっ?



「手繋いどかないと、また迷子になるぞ!」


疾風は意地悪に笑いながら言った。



「なッ、そんなことないもん!」



そう言いながらも、疾風の手に自分の手をそっと重ねると、疾風は、あの太陽のような笑顔で笑った。




「よし!まず何から乗ろうか?」



「ジェットコースター」


私が言うと疾風は、えっ?っと言う顔をした。



「もしかして、苦手なの?」



「実はちょっとだけ」



「じゃ、乗るのやめる?」


本当は乗りたかったけど、疾風が苦手なら無理に乗らなくていいと思った。



「紗和、乗りたいんだろ?」



「私はいいよ!違うやつ乗ろうか!」


私がそう言うと、疾風は突然、ジェットコースターの方に歩き出した。



「疾風?」



「ジェットコースター乗ろう!」


「えっ?でも」


「紗和が一緒なら、俺は大丈夫行こうぜ!」


苦手なはずなのに…


疾風の優しさが嬉しかった