「ここだよ!」


「凄い!」


まるで、この丘だけ空に浮いているようだった。

そこから見る景色は、とても綺麗だった。


「ここは、俺の秘密の場所なんだ。此処に来ると、嫌なことも全部忘れられるんだ。」

そう言った、君の目はどこか悲しそうだった。


「秘密の場所なのに、いいの?今日会ったばかりの私なんかに教えてくれて。」

「いいんだ!なんか、教えたかったんだ。」


君はそう言いながら、微笑んだ。


「私の名前は、紗和!貴方の名前は?」


「俺は、疾風!」


疾風って言うんだ…


「疾風!また…会える?」


私は、また疾風に会いたいと思った。


「あぁ!また明日此処で会おう。」


その日、また明日会う約束をした。


帰り道を疾風に教えてもらった。

「もう、迷子になるんじゃねーぞ!!」

疾風は私にそう言い帰っていった。