「紗和、降りるよ?」


「へっ?あ、うん!」



観覧車はもう終わっていた


「楽しかったな」



「うん」


本当に楽しかった。



でも、楽しい時間はすぐに終わってしまう。


まるで、シンデレラのよう…


魔法がとけてしまったかのようだった……



「じゃあ、帰るか!」



「…うん」



疾風は家まで送ってくれた

いろんな話をしながら帰った。


もう少しで家についてしまう。


このまま、時間が止まってしまえばいいのに……



家の前につくと、疾風はポケットから何かをとりだした。



「これ、やるよ!ストラップ俺のとお揃いなんだ
今日の記念に買ったんだ」



そう言って、自分の携帯についているストラップを見せ、無邪気に笑った。



「ありがと大事にするね」



本当に…本当に嬉しかった

この日から、このストラップは私の宝物になった。