少年はこの時受けた脳障害が原因となり時折欲望の抑制が効かなくなった。


損傷した脳はブレーキを失いつつあった。


抑えきれない性欲と壊れた良心との葛藤、その苦悩は通常の人間の想像を絶するものであった。


しかしコントロールできない少年の歪んだ欲望は徐々に反社会的な行動と繋がっていった。


苦しみ、憎悪した、自分自身の狂気を呪った……。


少年は十五歳になると最初の殺人を犯した。


抑えきれぬ衝動で十三歳の少女を強姦し絞め殺したのだった。