本当は望まれて生まれてくるはずの命。

こんな私がママでごめんね…

そう心の中で、まだ見ぬ赤ちゃんに語りかけることしかできなかった。

涙で前が見えない。

先が見えないよ。






「柚希……」


泣きながら眠ってしまってた私を、律が揺り起こしていた。


「悪かった。なんか、頭に血が上って、考えられなくなって…」


目が腫れてしまったのか、瞼が重い。

時計は夜中の2時を指していた。


「明日、病院行こう。それからゆっくり考えよう、今後のこと」


さっき声を荒げていたのとは違う、落ち着いた低めの声。


「…ごめんなさい…」

「もういいから、謝んなくていい」

「だって……」

「オレも明日一緒に行くから」