「それと、何かあったとき、延命治療はしないでほしい」

「柚希……」


動揺してるのがわかる。

私が急に言いだしたから、今は理解できないかもしれない。


「もしもの話だよ?」

「…その“もしも”が来る確率が、他の人よりも高いって、分かって言ってんの?」


律は目を伏せた。

眉間にはシワがよっている。


「もちろん…わかって言ってるんだよ。妊娠してから、ずっと考えてたの」


そう言うと、また私たちのベビちゃんは、元気よくお腹を蹴った。

ママの気持ち、わかってくれるよね?