“もしも”の話。

そこは強調しておいた。


「私に何かあったら…」

「子供を優先しろ、だろ?」

「なんでわかるのー!?」


ケロっとした顔で、白衣のポケットに手を突っ込みながら律は言う。


「柚希の考えてることなんて、単純すぎてお見通しなんだよ」

「えぇぇ~っ」

「それは時と場合による。柚希には絶対生きてもらわなきゃ」

「でも……」


私が言いたかったのは、それだけじゃないんだよ…。