中学時代の知人が、住まいを買ったとハガキで知らせてきた。手土産にデパ地下ケーキを買い、日曜の午後に向かった。

薄給で馬車馬労働者には、財布が薄くなったり貴重な休みが、羽をつけて飛んでく。


相手はveryを愛読雑誌としている、おハイソだから気も酷く消費する。
駅前の40階建てマンションなんて、今後の人生で立ち入る事はないだろう。



空を仰ぐと、この建物が何か"住居"ではなくて、"見栄と虚勢"とかの類の、さしあたって"張り子の虎"に思えてきて、玄関先で失礼しようと決めた。こんな所に、のうのう居て時間を消費するならば、何でもいいから、映画を観るとかウインドウショッピングをしたい。


‥‥しかしそうはうまくはいかない。




玄関の、xーgirl stageのベビーカーにびっくりしたらもう、相手のペースに嵌ってしまった。着火してしまった。
エンドレス 自慢リサイタル
一番彼女が自慢したのが、クロゼットの収納力でも、オーダーメイドのキッチンでもなく、バスルーム。
街を眺めながら、泡がブクブクとしたバスタブにつかれる。おまけにテレビも付いていて、夏は花火大会も見える。


だそうで、たいそうお気に入りと伺える。
だいいち、街を眺めながらテレビは見られない。花火も、視覚以外の感覚迫力が魅力的なもの。