「あっ」




隣で掘っていた雪原が、小さく声を上げた。








「あった...」











長く埋もれていたせいで少し茶色っぽいが、それでも、黒い土と対照的な色をした一冊のノート。














「これだ」















表紙には、ノートの題名。









『MILKYのうと』










いちごみるくのパックに書いてあった、"MILKY"の文字。


カタカナはまだ書けなかった頃に、仕方なくひらがなで書いた、"のうと"。





























「ゆき」



「な、なに?」







「ゆきは、やっぱりお前だった」


「...うん」








「ゆき」


「なに?」




























─好き