「だってさ、君のおねだり
俺が聞いてあげたいんだもん」
「いい歳してもんって……」
俺より子供じゃないか?
「そうだよ、いい歳してるよ。
だからさ、君が大人になる頃には
俺はもうおっさんだしさ」
「いや、そこまで離れてないじゃん」
この人がおっさんになる頃には、
小学生から見れば俺だっておっさんだろう。
「不安なんだよ、離れて行かないかって」
「そんな無駄な心配しないでよ」
そう答えると、
数秒沈黙し、また口を開いた。
「じゃあ、俺と2人で暮らして、
それでペットを飼えるようになるまで
ちゃんと待ってくれる?
他の人を好きにならない?」
「ならないよ。決まってるじゃん」
そう答えると、彼は嬉しそうに笑った。
そしてその日が早く来ることを、
俺も彼も願ってやまない。