「弘毅さん、平気ですか?」


「当たり前...だ...意地でも...治してやる...」


達哉さんが弘毅さんを担いでくる


「弘毅さん!!」


「理紗ちゃん...平気...?」


「大丈夫です...ごめんなさい...」


「けほっ...理紗ちゃんは...何も悪くない...」


「弘毅さん...」


あたしはそっと弘毅さんの手を握る


「...そうだ!!」


あたしは消毒液と湿布をガーゼと絆創膏を持ってくる


少しでもけがの悪化を食い止めなきゃ


「理紗ちゃん..ありがとうね...」


「いいえ」


邪魔なあたしでも、それでもいい


今出来ることは、全部したい


「てめえら、二度と来んじゃねえ!!」


「チッ...」


男たちは舌打ちをして、バイクの音を鳴らし逃げて行った


「理紗っ!!!」


「隆弘さんっ...」


隆弘さんがあたしを抱き上げた


「ごめんな...?俺が守るって言ったのに...」


「ううん...大丈夫です...それよりも弘毅さんが...」


「弘毅ー、生きてるか?」


あたしを抱いたまま、弘毅さんに声を掛ける