部屋へ入ると大量の本や割れたカップ、まが った”おち”のメガネなんかが、散らばって いた。 その様子から、二人の激しいやりとりが、 見てとれた。 「おち?どこにいる?」 俺は、できる限りの優しい声で、そっと聞い た。 奥のベッドルームから、小さな物音が聞こ えたような気がした。