塾の成績は、塾長を通じて、直接父親に連絡



される様になっていた。




「2、3日内には、父さんの耳に入る」




”おち”は、泣きそうな声で言った。




俺は、”おち”達の講習は、あと半分あるし、


時間は、あるから取り戻せると励ました。




すると


「大地に、何がわかるんだっっ!」


と大声で、反論された。




そうだ。



今ならわかるけど、あいつにとって・・




”成績”は、唯一、父親から自分の存在を認


められる手段だった。




そして、その不振は、完全な自己否定を意味


していた。




”おち”は、追い詰められていた。




そして、椅子から立ち上がり、ふらふらと


出口に向かって降りて行った。