そして、それから恐れていた体育の授業が、 やってきた。 昼下がりの午後、くそ暑い中、俺たちは、体 育館に集合した。 山崎は、何食わぬ顔で、体育座りの俺たちの 前で、バスケのルールや技術の説明をしてい た。 俺は、じっとその視線の先を、見ていた。 ちらっ”おち”を見た。 あっ また、見た。 今まで、他の生徒同様、何も気づいてなかっ たが、アイツは、いつもこんな風に、ヤツに 見られてたんだ。