―キーんコーンカーンコーン
バタバタバタバタ.......。
今日もまた始まる....
サバイバルが。
「千穂ーっ!急ぐよ!」
「あ!まって!」
私は櫻井千穂。
今年の春、海堂高校(カイドウコウコウ)にめでたく進入した新1年生。
今はだんだんとこの学校にも慣れてきた初めての夏。
そして…今急いでいる理由…それは…購買。
この学校には校舎から少し離れたところに
ぽっこおばさんと呼ばれる方がお昼になるとおいしいパンを売りにくる。
そのパンは限定100個しかないためみんなチャイムがなったと同時に
ぽっこおばさん目がけて走りだす。
本当に人気なため本気で走っていかないと間に合わない。
汗水たらし、全力で走って手に入れたそのパンは
本当においしい。
でも私は足が遅いため毎回のように買えていない。
今回は買いたい!そう思って全力で走った。
…見えてきたっ!
そう思い親友の結衣が前を走ってるのを追いかけながら
必死に走っていた。
すると・・・・・。
っドン!!!
「あ…わりぃ」
転んだ拍子に尻もちをついたとたん上から聞こえた声。
「あ…いえ…こちらこそすみませ…」
二度見した。
そこにいたのは金髪で着崩した制服にたくさんのピアス。
自分が転んだことよりその相手にぶつかってしまったことに
恐くなった。
でも…わりぃっていった?
や…あやまるわけないよね…そうおもって立ち上がろうとすると…
「大丈夫か?」
そう優しい声を掛けてくれた。
思えば私はこの時からあなたいに惹かれていたのかもしれない…。
無邪気に笑う、あなたに。