あまりの不気味さと気持ち悪さで、二戸 梨杏が悲鳴に近い大きな叫び声をあげる。






「キャアッーーーツ!!」






間が悪く、お店の正面の自動扉が開き、本日から新人アルバイトとして働くことになっていた女子大生が店の中へすたすたと入って来た。







いったい何が起こったんだろう?という顔でその光景をじっと見ている新人アルバイトの店員。






二戸 梨杏の足にしがみついている人間は不審人物だと判断をした新人アルバイト。





潤んだ瞳で助けを求める二戸 梨杏。






「たすけて……―」






新人アルバイトが二戸 梨杏の顔を見ながらうんうんと頷き、受付のテーブルに置いてある電話の受話器を上げる。