ドアの向こう側で二戸 梨杏に見つからないように身を小さく縮めて三角座りをしている店員が耳を澄ませていた。
「なっ、何だ!?今の地鳴りのような“グォウッ~~ツ”って音は?もしかして、地震でも来るのか…!」
頭をキョロキョロと動かしてあたふたしている店員。
ムクッと起き上がりテーブルに置かれたメニューを広げて見る二戸 梨杏。
ペペロンチーノ、ピザ、かに玉チャーハン……スイーツのケーキ。
美味しそうな物を見ると、にやけた顔が止まらない。
口から溢れ落ちそうになるヨダレをすする。
ペペロンチーノ、458円。
「美味しそ~~う!!」
ちょっと、待てよ……。
って、い・う・か――。