聞き惚れる歌声にそしてビブラートも驚くほど凄く上手いじゃないか!





ドアを一枚隔てた向こう側でエプロンの端を咬みながら声を殺して涙を流して感動をしている店員。





「いっ…今まで来たお客様の中で、一番上手い。しかも、歌っている時のあの娘は光輝いている!かっ…神様だ!」





【抱きしめて―】の採点結果を待つ二戸 梨杏。









――得点、98点!








「ひゃーっ、本当に!?ヤッター!98点!まじっ、嬉しいー!」





マイクを握りしめてひとしきり叫び、靴を脱ぎ捨ててソファーに飛び乗りガッツポーズを決めた後、何度もジャンプをする二戸 梨杏。