「また、大きな叫び声を上げると…。うるさい管理人が、とんでくるといけないから――」






朝から何の事だか…頭がパニック状態の二戸 梨杏、自然と瞳が潤んで半泣き状態の顔になる。






口元を塞いでいた手をそっと離す中村先生。






ハッーーーー!と口の中でためていた息を思いっきり吐き出す二戸 梨杏。







「――具合、どう?」






「……もう、大丈夫です―」





二戸 梨杏の額に付いている冷却シート剤をペロンと剥がそうとする中村先生。




何をするんだろう?と身構えて体がビクッとする二戸 梨杏。






指で摘まんだ冷却シート剤を二戸 梨杏の目の前でゆらゆらと揺らす中村先生。





「これっ、もう必要がないだろう?捨てるから――」






そう言ってゴミ箱の中へポンッと冷却シート剤を捨てた中村先生。