「色々と不可解なんだよ…現場にたった一つ残る失踪者の持ち物。さらって行くだけで音沙汰は無し」

「もうほうっておいて良いんじゃないですか?」

「カナトさん。失踪者の家族敵にまわすような発言やめてください」





しかもそんなケラケラ笑いながら・・・。





「・・・一昨日の被害者で3人目。もうこれ以上、被害者を出したくないと思っても、それを嘲笑うかのように一向に事件は終わらないし、被害者達は見つからない」





・・・警部って、あんまり頼もしいとは言いがたい人だけど、人柄は胸をはっていい人だと言える。

だからカナトさんも、毎回なんだかんだ言いながら手を貸してあげているんだと私は思う。





「実際嘲笑っているんじゃないですか?」

「カ、カナト君・・・(泣)」





・・・多分。





「頼むよカナト君!君の力を貸してほしいんだ」





言いながら警部はカナトさんの手を握る。

て言うかやっぱり助けを求めてるじゃないですか・・・。





「君の持ち前の頭脳と人脈の広さで、この事件を解決してほしい!!」

「言いませんでしたか?僕は話だけ聞きますと。話が終わったのなら、お引取りくだい。というわけでティア君」

「え・・・いいんですか?」





追い出せ、とこちらを見てきたカナトさんに私はすぐに反応できなかった。

てっきり頷くかと思っていたんだけど。